結果志向、略的思考でコミュニケーションする

価値観や利害関係やものの見方が真っ向から対立している状況での会話は、理論と知識を持っていても難しいものです。身近なところでいえば妻や夫の子育て方針に異論があるとか、指示待ちばかりする若手の仕事ぶりにフィードバックしたいとか、あるいは、上司や、ときにはそれよりはるかに上層部の経営陣に対して反対意見を述べたいなど、相手の性格や状況次第では、深刻なダメージを残すかもしれないケースはたくさんあります。

少し以前まで、若手や部下など下位者に対しては異論を言うけれど、家族や同僚や上位者に対しては「そんな会話を持ち出すことなど、あり得ない」と考える人が、大半でした。考える以前に、「そんなことは無理」だと結論が決まっているかのような印象でした。

ところが最近の研修で、特に中堅社員は、以前の受講者と違うなあと感じることが多くなってきました。冒頭のような例を自分から口に出して、コツを知りたいと熱心に質問をするのです。学習内容を十分に習得してからトライするように言うと、真面目にうなずいてくださいます。

自分が相手より上位か下位かという社会の序列に基づいて自分の行動を決めるのではなく、望ましいゴールや状態を達成するために必要なことは何か、そのために自分が取るべき行動は何か、と考えている人々が目立つようになってきたというわけです。まさに結果志向、戦略的思考です。