エンゲージメントを上げるためのコミュニケーションと言うけれど

昨今の研修では、必ずと言っていいほど在宅ワークとそれに伴うコミュニケーションの難しさが話題になります。一人の管理職の方が「誰かがコミュニケーションが自分の課題だ。取り組みたいが今は在宅でなかなか会えないから」と言うと、皆さんが深くうなづく、というお決まりの作法が続きます。筆者も一緒にうなづいています。

コロナ以前からエンゲージメントは人材育成や管理職にとってのホットなトピックでした。そして有効な手段の一つとして必ず登場するのが「コミュニケーション」です。ことほどさように、人間とは複雑な生き物で、他者と関わり合うのは、数学のような公式にあてはまらない分、大変である証左かもしれません。弊社も人を動かす立場の皆さんと、コミュニケーション研修を行う機会が頻繁にあります。

面白いのは、これほど質問のスキルだの相手の話を聴くだのが話題になるにもかかわらず、現実の場で頻繁に登場する質問です。「自分が親切心から部下にかまっていても、部下がうっとうしいと思っていたらどうすればいいだろう?」あるいは「そこまで部下は支援を求めているだろうか?」などです。そんなときは、「一番質問すべき点はそれではないでしょうか?相手の答えを聞いて、自分はそれが役に立つかなと思って話しかけているけれど、じっくり考えたいから一人にしておいてほしかったら、遠慮なく教えてね、と言えばいいんじゃないでしょうか?」と答えます。皆が一気に「なああああんだあああ、そんなことでいいのか~」と緩むのを感じます。人間は意外と、一番聞くべきことが自分では見えない生き物なのかもしれません。