年配の…とは何とも失礼な物言いで、初めにお詫びいたします。
ですが、「シニア層に研修をしてもどうせ変わらないから無駄だ」という主張が珍しくないことを、多くの方がご存知のことと思います。

本当でしょうか?弊社のサービスはあらゆる年齢層を対象としていますので、シニア層で部長以上の役職がついた方の行動変容もお手伝いしています。その経験から学びや行動変容に年齢制限はないと感じています。

たとえば日本を代表する企業のシニア・マネジャーのAさんはこんな方でした。
―卓越した能力があって、会社としては失いたくないタレントである。
―部下への期待が高すぎて、できないと厳しいので、部下が次々とつぶれていく。
―同僚や他部門と関係を築けない。自分のやりたいことを強引に押し通すので、皆が協力を嫌がる。
―会社は、10年以上前から問題に気づいていたが、本人の考えや性格を改めさせることができなかった。
―本人の責任や役割が大きくなるにつれ、問題が破壊的に大きくなり、放置できなくなった。

また世界的に知られる外資系企業のシニア・マネジャーのBさんはこんな方でした。
―部下である部長たちと強いチームワークを築いている。
―部下の部下にも配慮が行き届いている。
―欧州本社が求める重要な戦略に対しては、曖昧な応答を繰り返して結果を出さない。
―欧州本社の上位者は、本社が求める戦略的な働き方を本人が学び、さらに成長することを求めているが、本人は曖昧な応答で成長や変化を回避している。

どちらの方も(その他大勢の方と同様)、半年から1年にわたる取り組みを通じて、リーダーとして見違えるような変化や成長を遂げました。一見、どうしてそんなことが可能なのかと不思議に見えます。

実は長い時間をかけてやるべきことは驚くほどシンプルです。
「自分に求められている変化は何か」
「変化しないとどうなるのか」
「変化すればどうなるのか」
を理解・納得してもらうだけです。

変化しないとマズいぞ、とわかれば、どんな人も年齢に関係なく考え方や行動を変化させたいと思うに決まっているではありませんか。「このままだと溺れてしまうぞ」とわかっているときに、そのままでいようとする人などいませんから。

でも、本人に理解・納得してもらうことが、実に難しいのです。知っておくべき科学理論や絶対守るべきポイントが多々あります。単純に説得すればいいわけではありませんので、いろいろなサーベイや研修や資料が必要になるというわけです。