人材開発プログラムの企画・運営|世界が信頼するコンテンツと40カ国のグローバル・ネットワーク

多様性の時代のマネジメントやリーダーシップには上級のコミュニケーション力が不可欠

魚は水に気づかない

「魚は水に気づかない」とはフランスのことわざで、自分を取り巻く環境は、案外わからないものだという意味です。戦後日本のビジネス社会はとても均質で、大多数はほぼ同じような教育を受け、まじめで丁寧、向上心が高く仕事熱心な男性でした。戦後長く続いた日本的なマネジメントやリーダーシップのスタイルは、そうした特徴を持つ従業員の存在と終身雇用や年功序列などの日本的な労働慣行によって、強力な追い風を享受していました。

均質で考え方が似通っているから、上司が特段意識してモノを言わなくてもあうんの呼吸で部下が理解してくれます。一生を一緒に過ごす従業員は家族だ…というわけで部下のプライベートの部分まで面倒を見てあげれば、部下も一糸乱れぬ忠誠心で応えてくれます。会社に尽くせば定年退職後まで大きな安心で報われるとなれば、上司が何もしなくてもモチベーションが高まります。

日本的なコミュニケーションの良さと落とし穴

上記のような社会背景があると、上司と部下の意見が食い違ったときでも「会社のためにこうすべき」とか「長期的な観点から」とか、「うちの会社ではそれが常識だから」などの短いセリフを口にするだけで、下位者も引き下がるのが賢明だと理解します。(もちろんある程度の個人差や程度差はあります。)

逆にそのような社会背景が共有されていない相手を同じやり方で従わせようとすれば、反発されたり信頼が壊れたりして、マネジメントやリーダーシップが行きづまってしまいます。たとえば、終身雇用を前提として考えていない相手には、「今我慢すれば、将来、見返りがもらえる」という説得は無意味だからです。

多様性の時代のマネジメントとリーダーシップ

ではどうするかといえば、マネジャーやリーダーは、一人ひとりと向き合ってキャリアゴールを聞き出したり、動機づけたり、ビジョンを見せたり、説明したりしなくてはなりません。一言話せばあとはわかるはずだと考えて相手の理解力に任せるのではなく、一人ひとりを見て、相手の心に触れ、人間として深く関わりあうコミュニケーションを取ることでしか、価値観や考え方の違う相手を巻き込んで強いチームを築くことができません。コミュニケーションを通して相手の心を動かせるかどうか、対人影響力を及ぼせるかどうかが決め手になります。好むと好まざるとにかかわらず、従来とは全く異なるコミュニケーション力が求められるのが、多様性の時代です。

 

対人影響力のある話し方を学ぶコースの説明はこちら