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結果だけではない。本心を上手に話して得られるもの 友人の体験談1

弊社にはダイアローグを学ぶためのコースがあります。言うべきことを上手に言う、そして上手に理解を得るための考え方と話し方を学ぶコースです。コミュニケーションの方法であり、意見や価値観の違う相手に効果的に働きかける対人影響力発揮の方法です。ちょっとしたフィードバックやコーチングから、一つ間違えると修羅場になりそうな会話まで、あらゆるコミュニケーションや行動変化の基本がつまっています。

コースを通じての長年の知り合いであるアメリカ人の友人が、世代を超えて語り継ぐ大切さについて最近教えてくれた体験談を、彼女の言葉として3回に分けてご紹介します。

「私の両親は二人とも幼いころに父を亡くして、ワーキング・マザーに育てられました。その頃の貧困は現代とはけた違いで、今なら当たり前の、寝る前の絵本の読み聞かせや家族旅行などはもちろんなく、母は父とデートするようになって生まれて初めてアイラブユーという言葉を聞いたそうです。結婚した二人が求めたのは、無条件の愛にあふれた家庭を築くことでした。

家族にはいくつかの掟がありました。車は自分で買う、大学の資金は自分で稼ぐなどなど。そして最後にもう一つ。ダメなものはダメと主張すること。

母はとても内気で静かな人ですが、この掟を身をもって示す生き方をしてきました。あるときベトナム戦争で亡くなった黒人兵士が、自ら望んだ墓地に埋葬を許されなかったことがありました。そこが白人専用墓地だったからです。そこに埋葬されるのは、死を目前にした兵士のたった一つの願いでした。理由は兵士の母が墓地の向かいに住んでいたからです。車のない母親が墓地に眠る息子に会いに行くとすれば、それがたった一つの方法でした。

私の母は激怒しました。「国のために命を捧げたのだから、どこに埋葬してもらってもいいはず」。母は教会の友人たちと一緒に墓地の付近で抗議活動を始めました。そして、墓地の方針を撤回させたのです。

振り返ってみると、祖母は45歳のとき大学に進み、51歳で卒業したあと20年間生物を教えていました。あらゆる人種の学生に愛される教師でした。両親は文字通り、人生の過酷な試練を受けながらも、常に無条件の愛を降り注いでくれました。そんな中で私は、社会に向かって声を上げ、正義を求めるお手本をたくさん見てきました。でも、職場の上司や義理の母、親友に対して、ダメなものをダメと上手に訴えるお手本は、その時は、まだ見たことも聞いたこともありませんでした」。

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