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日本と海外における人材開発や研修の違い 2.受講者の特徴

学びに対するアグレッシブさ

 会議の場で日本人がおとなしいのは世界的に知られた話ですが、研修の場で感じる違いは、発言数だけではありません。与えられた時間を最大限利用して、自分に役立つものをつかみ取ろうとする意欲の高さを、海外では強く感じます。比較的文化が似ているアジアでも、先進国でも状況は同じです。

だから日本人の受講生に問題があるという、単純な話ではありませんし、日本人の受講意欲が低いとか、海外のすべての人が意欲的だという話とも違います。あくまで平均的な受講者層の話であり、そのような違いを生み出す背景についても、別の機会に触れるつもりです。

学びたいから、熱心に質問する

 確実に言えるのは、積極的に学ぶ意欲の高い人が大勢いれば、疑問をはっきりと口に出す人が増えて、核心を突く質問が飛び交うようになることです。一人の質問に次々と別の受講者が呼応して、議論が熱くなっていくのは、日常的な光景です。講師も受講者も本気で疑問を口に出して意見を交えますから、皆が深く考え、学びや洞察を得る機会が格段に多くなります。

熱心な学びの場が生まれるためには、いくつかの条件が必要

このような学びの場が成立するのは、いくつかの条件が同時に整っているからです。

1.      自分の意志で疑問を解決しようとする、学習意欲の強い受講者が多い-躍動感や熱気が生まれて、皆が引き込まれていきます。

2.      過度の配慮は要らない。-初対面でも、「自分の疑問のために、皆の時間を無駄にすると悪いから黙っていよう」等の遠慮や気兼ねが無用で、疑問を口に出すのは当たり前のこととして、定着しています。

3.      講師が場をコントロールしている。-時には皆の時間を無駄にしかねない質問が飛び出すとか、研修テーマから逸脱した議論に入り込むことがあります。参加者を本題に集中させ、現在の議論が研修内容とどう関連しているのかを明確にし、研修テーマに合った学びが得られるようにファシリテーションが行われます。

4.      正解のない状況では、講師の見解も選択肢の一つにすぎないことが、共通理解となっている。-講師がどれほど多くの専門知識や情報を提供し、説得力のある考え方を示したとしても、講師の見解は正解ではなく、受け入れるかどうかは個人の選択の問題です。

5.      少数派の意見も尊重される。-講師を含む全員が、意見の違いは、優劣や勝ち負けを決めるものさしではないと理解しています。多様な意見が尊重されるのは当然のこと、長い議論の果てに、どうしても講師の意見に賛成しない受講者が一人いても、双方の主張が尊重されます。

大きな違いを上記の5つにまとめました。とくに後半のいくつかは、「唯一の正解を与える」ことよりも、「自ら考えることができるよう、情報や方法を与える」ことが重視されていると言うこともできます。

国内であれ、海外の拠点であれ、文化背景が異なる受講者を交えて研修するならば、受講者の基本的な姿勢が大きく違うことを考えた運営が必要です。

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