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研修効果を持続するために、必要なもの

参加しただけでは、身につかない

「研修しただけでは身につかないから、どうすればいいのか?」という問いは、シンプルですが、実に深く、人間の性質に根差しています。受講者が皆、研修後も教えられたとおりに実行して、能力を向上してくれることが理想ですが、現実はそう単純ではありません。

以前、『「人材開発はプロセスである」という基本を今風に考えてみる』や『戦略的人事と研修効果』でも触れた通り、研修効果は実に多くの因子に左右されるからです。研修に参加するだけでは身につかないからどうしよう?という問いについて考えるには、研修効果を測定する時に、どんな因子を考慮しなくてはならないかを考えると役に立ちます。

生活習慣病の克服に置き換えて考えてみる

わかりやすくするため、「今のままでは生活習慣病になるのは時間の問題なので、体脂肪率を落とさなくてはならない」という事例に置き換えてみましょう。まず、効果を出すための条件を思いつくままにいくつかあげてみることにします。

◆本人に関するもの◆

1.自分の現状を自覚し、受け入れていて、体脂肪率を下げたいと考えている

2.医師のプログラムは効果がありそうなので、やってみようと感じている

3.しばらく続けてみると効果が感じられたので、続けようと思っている

4.いつ、何を、どんな手順で実行すればいいのか理解している

5.指導されたプログラムを実行するために、仕事や家事の手を止めることができる

◆プログラムに関するもの◆

1.プログラムは、体脂肪率を落とすのに効果がある

2.選択されたプログラムが、本人に合っている

◆医師に関するもの◆

1.医師は現状を説明し、プログラムを守れば改善すると、納得させてくれた

2.医師は、プログラムの正しいやり方を教えた。

◆周囲のサポートに関するもの◆

1.本人がプログラムをまじめに実行していると、周囲がほめたり、励ましたりしてくれる

2.邪魔しないで場所や時間を与えてくれる

3.禁じられた食事や飲酒を、本人にすすめたり強要したりしない

4.本人がいるところで、本人に禁じられた食事や飲酒を周囲の人もしない

5.症状の改善や悪化に気づいてくれる。そして応援してくれる

◆周囲の環境に関するもの◆

1.手近なところで、プログラムを実行できる

2.プログラムに必要な道具が、すぐに手に入る

効果を促進したり抑制したりする要因の多さ

読者の皆さまは、他にもたくさんあることに気づかれたことでしょう。

ポイントはこうです。実に多くの要因によってプログラムが実行できたり、できなかったりするということ。上記の例の医師が研修の講師で、医師が勧めたプログラムが研修内容だと想像してみましょう。講師とプログラムだけではコントロールできない要素がたくさんあることがわかります。職場環境や周囲の人々の応援の有無は、学習を持続できるかどうかに目に見えない影響をもたらします。研修を一回限りの出来事でなく、プロセス(一定期間続くもの)として考えることが大切なのは、研修前の出来事(現状は問題だと本人が理解している)や、研修後の出来事(環境や周囲の人の態度によって、やりやすくなったり、やりにくくなったりする。)が、研修効果に大きく関わっているからです。

協働が決め手

弊社の場合ですと、必要に応じて研修企画のご担当者様と、誰がどのようにプロセスを支援していくのか話し合います。プロセスとして研修を進めるためには、組織の内部にいるご担当者様との協働が決め手となってくるからです。