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コンプライアンスとリーダーシップの切っても切れない関係

リーダーシップの良し悪しは、コンプライアンスにも影響を及ぼす

この記事欄で何度も繰り返されているメッセージはたくさんありますが、その一つは人が何かの行動をする(あるいはしない)理由はそれほど単純ではないこと。また別の一つとして、リーダーシップの良し悪しがパフォーマンスや経営指標に与える影響は大きいことがあります。この二つを合わせて考えれば、リーダーシップの良し悪しは、無責任なコンプライアンス違反に影響を及ぼすに違いないという推論が成り立ちます。同時に、だからと言ってリーダーシップの良し悪しだけがコンプラ違反を防いだり、招いたりするわけではないとも言えます。人の行動原理はそんなに単純ではないからです。だからこそコンプラアンス対策では、セキュリティを高めるシステムも、信賞必罰の制度の整備や適切な業務フローも、そして優れたリーダーシップも必要なのです。

無責任な上司が及ぼす影響

では上司が無責任でリーダーシップに問題がある場合、部下に及ぶ影響はどの程度の大きさなのでしょうか。

弊社提携先ゼンガー・フォークマン社がまとめた一つの調査報告があります。「無責任なリーダー」と題された報告によると、責任感の有無を「問題がある」~「極めて高い」までの5段階で測定した上司の責任感と部下のエンゲージメントは、はっきりとした相関を示しています。同時に責任感の有無とリーダーシップの良し悪しも、強く相関しています。責任感が強い上司の下で働く部下は、平均をはるかに上回るエンゲージメントを示しているのに対して、「責任感に問題がある」上司の下で働く部下のエンゲージメントは平均をはるかに下回り、ボトム15%ほどになっています。

一言で言えば、責任感がない上司は、リーダーシップもなく、部下のエンゲージメントが著しく低くなる。一般にエンゲージメントが低い部下は会社や仕事に関心がないため、安全基準や品質基準を守ることに関心がないし、会社のために力を尽くそうとしないと言われます。

古今東西、部下は上司の背を見て育つ

一方、別に行われた調査「リーダーの影」は、長年一緒にいる上司と部下が、いかに似てくるかという結果について述べています。ポイントは、「上司が落とす影は強力で、その影響力を見過ごすことはできない。素晴らしいリーダーなら、高い確率で部下も素晴らしい。上司が無責任なら、高い確率で部下も無責任である」ことにあります。なぜそうなるのかという詳しい説明は別の回に譲りますが、単純に言うと一緒に暮らす家族が徐々に似てくるのと同じ理屈です。同じ組織の社員も徐々に似てくるのです。

上司としてリーダーとして、自分の影響力を自覚する大切さ

コンプライアンスとリーダーシップの良し悪しには深い関係があります。資質に問題のある一人の従業員がコンプライアンス問題を起こしてしまう場合もありますが、一人ひとりの従業員の資質に重大な問題はなくても、上司やそのまた上司がコンプライアンスの徹底を軽んじていれば(あるいは、軽んじているように見えれば)、「このくらいは構わないだろう」と、部下が軽はずみな行動に出てしまうリスクが増大するからです。上司やリーダーは、どれほど自分が謙虚であろうとも、子供が親を真似るように、部下が自分を真似ていることを日ごろから自覚し、真剣に受け止めておく必要があります。

 

「無責任なリーダー」および「リーダーの影」のさらに詳しい調査内容をご希望の方は、こちらからお問い合わせください。(*ご同業様はお断りいたしております。)

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